インターンシップ向けのオリジナルボードゲームは、大きく分けて「業務シミュレーション型」「会社紹介型」「アセスメント型」の3つのタイプに整理できます。
実際に企画を進める段階になると、「自社にはどのタイプが向いているのか」「それぞれ何を意識して設計すればいいのか」という、より具体的で実務的な疑問が出てきます。この記事では、3タイプそれぞれの設計手法を、実務レベルまで踏み込んで深掘りします。
合同会社ASOBOARDでは、貴社の目的・課題に合わせた最適なオリジナルボードゲーム開発や研修プログラムの設計を専門としています。まずはお気軽にご相談ください。
<ASOBOARDの強み>
- ビジネス課題をゲームに落とし込める課題解決のプロ集団
- 事業開発、採用コンサル、マーケターなど、複合的な専門性を持つメンバーで提案
- 企画から製造までの一気通貫に加え、ルール検証やデザインのみなど柔軟なご支援が可能

採用・組織戦略スペシャリスト
人材会社出身で、採用代行支援・人事コンサルティング会社を経営中。合同会社ASOBOARDに参画し、CSO(チーフセールスオフィサー)を担う。これまでに数十社以上の採用成功の支援や人事制度の構築を支援した実績を持つ。事業会社でのセールスや新規事業立ち上げの経験があり、ビジネス領域への深い理解を基にした支援が得意。単なる採用数の充足だけでなく、事業成長を見据えた組織戦略立案・採用支援が得意。
なぜ3タイプに分けて考える必要があるのか
多くの企業が「インターンでボードゲームをやりたい」というところから企画をスタートしますが、目的を明確にしないままゲームの内容を検討し始めると、途中で方向性がぶれてしまいます。
3タイプは、それぞれ狙う効果がまったく異なるため、まず自社がどのタイプを目指すのかを決めることが、企画全体の一貫性を保つ上で欠かせません。
- 業務シミュレーション型:実際の業務プロセスや意思決定を疑似体験してもらい、「入社後のリアリティ」を伝えることに主眼を置くタイプ
- 会社紹介型:企業のビジョン・カルチャー・強みを、講義形式ではなく体験を通じて伝えることに主眼を置くタイプ
- アセスメント型:学生の資質や志向性を可視化し、選考や配属検討の参考情報として活用することに主眼を置くタイプ
これらは排他的なものではなく、実際には1つのゲームの中に複数の要素を組み合わせて設計するケースも多くあります。
ただし、どの要素を「主」に据えるかによって、ゲームバランスの調整方針が大きく変わるため、まずはタイプ別に設計思想を理解しておくことが重要です。
なお、この3分類はASOBOARDがこれまでの企画支援の中で整理してきた実務的な分類であり、学術的に確立された唯一の分類ではありません。
あくまで「自社が何を優先したいか」を整理するための思考の補助線として活用いただくことを想定しています。実際の企画では、この3タイプを起点にしながらも、貴社の採用課題に合わせて柔軟にアレンジしていくことになります。
業務シミュレーション型の設計手法
業務シミュレーション型で最も重要なのは、「面白さ」と「リアリティ」のバランスです。実際の業務をそのまま忠実に再現しようとすると、専門知識がないと楽しめないゲームになってしまい、逆に面白さだけを追求すると、業務理解という本来の目的から離れてしまいます。
ASOBOARDでは、このバランスを取るために「意思決定の抽象度」という考え方を用いています。実際の業務における細かい手順(オペレーションレベル)ではなく、「その業務で本質的に問われる判断軸」(例えば、コストと品質のどちらを優先するか、短期の成果と長期の投資のどちらを選ぶかなど)を抽出し、それをゲームの意思決定として再構成します。
この抽象化のレベルを適切に設定することで、専門知識がない学生でも「この会社では、こういう判断が求められるのか」という本質的な理解を得られる設計が可能になります。
また、業務シミュレーション型では、部門間の視点の違いを体験できる設計も効果的です。
例えば、営業部門・製造部門・企画部門など、異なる役割を学生に割り振り、それぞれの立場から見た「最適解」が実は対立するという構造を組み込むことで、実際の組織で起きている部門間調整の難しさをリアルに体感してもらえます。
この部門間対立の構造は、単に「難しさ」を伝えるだけでなく、学生に「この会社は複雑な利害調整をしながら意思決定している、地に足の着いた組織だ」という信頼感を伝える効果もあります。
逆に、業務があまりにも単純化・美化された形で描かれるゲームは、入社後のギャップを生みやすく、早期離職のリスクにもつながりかねません。リアリティのある難しさを適切に見せることも、業務シミュレーション型の重要な役割です。
会社紹介型の設計手法(カルチャーマッチ確認)
会社紹介型で重要なのは、企業のビジョンや価値観を「説明する」のではなく、「選ばせる」構造にすることです。パンフレットやスライドで理念を説明されても学生の記憶には残りにくいですが、ゲーム内で複数の選択肢の中から自分の価値観に近いものを選び続けるという体験は、能動的な理解につながります。
具体的には、ゲームの随所に企業の実際の意思決定に近いジレンマ(例えば、短期の売上とお客様満足度、どちらを優先するかなど)を組み込み、学生自身に選択させます。
プレイ後の振り返りで、「実際に弊社ではこういう場面でこう判断しています」というファシリテーターの解説を加えることで、企業のカルチャーが「知識」ではなく「実感」として伝わります。
また、会社紹介型はプレイ後に学生自身の価値観との一致度を振り返ってもらうことで、学生側にとっても「自己理解×企業理解」を同時に得られる体験になります。この双方向性が、会社紹介型が単なる企業PRにとどまらず、学生の記憶に残るコンテンツになる理由です。
さらに、会社紹介型は「入社後にギャップを感じさせない」という予防的な効果も持っています。
理念やカルチャーを美化して伝えるのではなく、実際のジレンマや葛藤を含めて等身大に伝えることで、学生自身が「この価値観に共感できるか」を入社前に見極める機会にもなります。これは短期的なエントリー数の獲得だけでなく、中長期的な定着率の向上にもつながる設計思想です。
アセスメント型の設計手法(適性検査代替として)
アセスメント型は、選考要素を含むため、他の2タイプよりも慎重な設計が求められます。重要なのは、「ゲームが上手いかどうか」ではなく、「ゲーム内での意思決定や振る舞いから、業務適性に関連する資質が見える」設計にすることです。
ASOBOARDでは、アセスメント型を設計する際、まず貴社が実際の業務で重視している資質(例えば、リスクを取る判断力、チームでの協調性、粘り強さなど)を人事担当者にヒアリングし、それらの資質がゲーム内の特定の行動パターンとして表出するようなルールを設計します。
例えば「リスクを取る判断力」を見たい場合は、確実だが小さいリターンと、不確実だが大きいリターンのどちらを選ぶかという意思決定を複数回組み込み、その選択傾向を観察できるようにします。
アセスメント型で特に注意すべきは、評価の透明性です。学生にとって「何を評価されているか分からない」状態は不安や不信感につながるため、「このゲームでは、意思決定の一貫性やチームへの関わり方を見ています」といった大枠の説明を事前に行うことをおすすめします。
厳密な採点基準まで開示する必要はありませんが、評価の観点自体を隠すことは、学生との信頼関係を損なうリスクがあります。
また、アセスメント型は選考への活用に留まらず、内定者や新入社員の配属検討における参考情報としても活用できます。
ゲーム内での意思決定パターンを記録しておくことで、「この学生はリスクを取る場面での判断が早い」「チーム内の調整役に回ることが多い」といった傾向を、配属先の検討材料の一つとして活用している企業様もいらっしゃいます。
ただし、これはあくまで参考情報の一つであり、ゲームの結果だけで配属を決定することは推奨していません。
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3タイプ、どう組み合わせるべきか
実務では、1つのインターン企画の中に複数のタイプの要素を組み合わせるケースが一般的です。例えば、前半は会社紹介型でカルチャーへの理解を深め、後半は業務シミュレーション型で実務のリアリティを伝えるという構成にすることで、学生の興味の変化に合わせた体験設計が可能になります。
3タイプの特徴を整理すると、以下のようになります。
| タイプ | 主な狙い | 向いている実施タイミング | 設計の難易度 |
|---|---|---|---|
| 業務シミュレーション型 | 入社後のリアリティの提供 | 秋冬インターン・内定者フォロー | 中〜高(抽象化の設計が要) |
| 会社紹介型 | カルチャーマッチの確認・志望度向上 | サマーインターン・説明会 | 中(ジレンマ設計が要) |
| アセスメント型 | 資質の可視化・選考精度向上 | 選考直結型インターン | 高(評価設計と透明性の両立が要) |
ただし、3タイプすべてを1つのゲームに詰め込もうとすると、ゲームバランスが崩れ、結果的にどの目的も中途半端になってしまうリスクがあります。ASOBOARDでは、企画の初期段階で「今回のインターンで最も重視したいタイプはどれか」を明確にした上で、他のタイプの要素を補助的に組み込むという設計方針を推奨しています。
ASOBOARDの強み
ASOBOARDのCGOは、商業ボードゲームの企画・開発において、プレイヤーの行動から意図した情報を引き出すゲームメカニクスの設計を数多く手がけてきました。この専門知見は、特にアセスメント型のように「意図した資質を自然な形で可視化する」設計において、大きな強みを発揮します。
また、採用コンサルティング経験を活かした、貴社がどのタイプを重視すべきかという上流の戦略設計から伴走します。
「とりあえず面白いゲームを作ってほしい」というご相談から始まったとしても、ヒアリングを通じて自社に最適なタイプの組み合わせをご提案できる点が、ASOBOARDならではの強みです。
多くの企業様が、最初は「なんとなく面白いことをやりたい」という漠然とした要望からスタートされますが、ヒアリングを重ねる中で「実はエントリー段階の課題ではなく、内定後の辞退が本当の課題だった」といった、当初想定していなかった論点が見えてくることも少なくありません。
ASOBOARDでは、こうした潜在的な課題の掘り起こしから、最適なタイプ選定、そして具体的なゲーム設計まで、一貫してご支援しています。
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まとめ
インターンシップ向けボードゲームは、業務シミュレーション型・会社紹介型・アセスメント型という3つのタイプに整理でき、それぞれ狙う効果と設計思想が異なります。
業務シミュレーション型は意思決定の抽象度、会社紹介型は価値観を「選ばせる」構造、アセスメント型は評価の透明性が、それぞれの設計における重要なポイントです。
複数タイプを組み合わせる場合も、どのタイプを主軸に据えるかを明確にすることが、一貫性のある企画につながります。
自社のインターンがどの課題を解決したいのかを起点に、3タイプのどれを主軸にするかを検討してみてください。目的が明確であればあるほど、ゲームの企画会議もスムーズに進み、社内での合意形成もしやすくなります。
よくある質問(Q&A)
3タイプのうち、まずどれから検討すればいいですか?
自社の採用課題によって異なります。エントリー数や志望度が課題であれば会社紹介型、内定後のミスマッチが課題であれば業務シミュレーション型、選考の精度が課題であればアセスメント型が出発点として適しています。
アセスメント型は学生に警戒されませんか?
評価の大枠を事前に説明し、ゲームそのものを楽しめる設計にすることで、警戒感は大きく軽減できます。「監視されている」のではなく「自然に振る舞える場」だと感じてもらえる設計が重要です。
3タイプを組み合わせた企画は、制作費用が高くなりますか?
組み合わせる要素が増えるほど設計の複雑度は上がりますが、必ずしも大幅な費用増になるとは限りません。まずは重視したいタイプを明確にした上で、無理のない範囲での組み合わせをご提案します。
3タイプのどれにも当てはまらない目的がある場合はどうすればいいですか?
この3分類はあくまで実務上の整理であり、すべての目的を網羅しているわけではありません。例えば「社内の理解促進」や「ブランディング」など、3タイプの枠に収まらない目的をお持ちの場合も、ヒアリングを通じて最適な設計をゼロからご提案しますので、お気軽にご相談ください。
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採用・組織戦略スペシャリスト
人材会社出身で、採用代行支援・人事コンサルティング会社を経営中。合同会社ASOBOARDに参画し、CSO(チーフセールスオフィサー)を担う。これまでに数十社以上の採用成功の支援や人事制度の構築を支援した実績を持つ。事業会社でのセールスや新規事業立ち上げの経験があり、ビジネス領域への深い理解を基にした支援が得意。単なる採用数の充足だけでなく、事業成長を見据えた組織戦略立案・採用支援が得意。















