「1dayインターン用に作った研修ゲームを、5日間の長期インターンでも使えないか」というご相談を、ASOBOARDでは相談いただくことがあります。
結論から言うと、時間の長さが変われば、ゲームに求められる役割そのものが変わります。1dayと長期を同じ発想で設計してしまうと、1dayでは「時間が足りず消化不良」、長期では「早々に飽きられて手持ち無沙汰」という、正反対の失敗を招きます。
この記事では、1day・短期インターンと長期インターンそれぞれに適したボードゲーム企画の考え方を、ASOBOARDが商業ボードゲーム開発で培ってきた「尺(時間の長さ)とゲームメカニクスの相性」という設計知見を交えながら解説します。単なる「時間で内容を薄める・濃くする」という発想ではなく、時間の長さに応じてゲームの構造そのものを変える視点をお伝えします。
合同会社ASOBOARDでは、貴社の目的・課題に合わせた最適なオリジナルボードゲーム開発や研修プログラムの設計を専門としています。まずはお気軽にご相談ください。
<ASOBOARDの強み>
- ビジネス課題をゲームに落とし込める課題解決のプロ集団
- 事業開発、採用コンサル、マーケターなど、複合的な専門性を持つメンバーで提案
- 企画から製造までの一気通貫に加え、ルール検証やデザインのみなど柔軟なご支援が可能

採用・組織戦略スペシャリスト
人材会社出身で、採用代行支援・人事コンサルティング会社を経営中。合同会社ASOBOARDに参画し、CSO(チーフセールスオフィサー)を担う。これまでに数十社以上の採用成功の支援や人事制度の構築を支援した実績を持つ。事業会社でのセールスや新規事業立ち上げの経験があり、ビジネス領域への深い理解を基にした支援が得意。単なる採用数の充足だけでなく、事業成長を見据えた組織戦略立案・採用支援が得意。
1dayと長期、そもそも得たい成果が違う
まず整理しておきたいのは、1dayインターンと長期インターンでは、企業側が達成したい目的の性質がまったく異なるという点です。
1dayインターンの目的は、多くの場合「限られた時間で、会社への理解と好意度を最大化すること」に集約されます。マイナビの調査によれば、就活生1人あたりのインターン参加社数は平均5社を超えており、学生は複数社を比較検討しながら参加しています。つまり1dayインターンは、学生の記憶の中で「他社と比較される1つの体験」として消費されるという前提で設計する必要があります。
一方、長期インターン(数週間〜数ヶ月)の目的は、「実際に働く感覚を体感してもらい、入社後のミスマッチを防ぐこと」にあります。長期インターンに参加する学生は、すでにその企業への関心が高い層であることが多く、比較検討というより「本当にここで働きたいか」を見極める段階に入っています。ここで求められるのは、瞬発力のある体験ではなく、継続的に関与し続けたくなる設計です。
この目的の違いを踏まえずに、ただ「1dayの内容を薄めて長期に引き延ばす」「長期の内容を無理やり1日に詰め込む」という発想で企画すると、どちらも中途半端な体験になってしまいます。
ASOBOARD式「尺別・ゲームメカニクス選定の考え方」
商業ボードゲームの世界では、プレイ時間とゲームメカニクスの相性は非常に重要な設計要素です。30分で終わるゲームと、3時間かけてじっくり進めるゲームでは、採用すべきメカニクス(意思決定の頻度、情報公開の度合い、プレイヤー間の駆け引きの深さ)がまったく異なります。ASOBOARDでは、この商業ゲーム開発の知見を採用・研修領域に応用し、インターンの尺(時間)に応じてゲームメカニクスを次のように使い分けることを提案しています。
①30分〜1時間:「即断即決型」メカニクス
選択肢を絞り込み、テンポよく意思決定を繰り返す設計。プレイヤーが迷う時間を極力減らし、体験の密度を高めます。1dayインターンの一部として組み込む場合や、説明会内のアイスブレイクに向いています。
②2〜4時間:「積み上げ型」メカニクス
序盤の選択が中盤・終盤の展開に影響を与える、資産構築的な設計。プレイヤーは自分の選択の結果を体感しながらゲームを進められるため、1day〜1.5dayインターンのメインコンテンツとして機能します。
③複数日にまたがる「継続シリーズ型」メカニクス
1回のセッションで完結させず、複数回に分けてストーリーを進行させる設計です。前回セッションの結果が次回に持ち越される仕組みにすることで、「続きが気になる」という心理的なフックを生み出せます。長期インターンにおいては、この継続シリーズ型が最も効果を発揮します。
このように、単純に「情報量を増減させる」のではなく、尺に応じてゲームの構造原理そのものを変えることが、時間を無駄にしない設計の鍵になります。
ASOBOARDでは、これらを整理した「尺別メカニクス選定マトリクス」を企画会議の初期段階で必ず参照します。
| 尺の目安 | 推奨メカニクス | 向いている用途 | 避けたい設計 |
|---|---|---|---|
| 30分〜1時間 | 即断即決型 | アイスブレイク、説明会内コンテンツ | 情報公開量の多い複雑な設計 |
| 2〜4時間 | 積み上げ型 | 1day・1.5dayインターンのメイン企画 | 待ち時間の長い順番待ち型設計 |
| 半日〜1日通し | 積み上げ型+簡易な継続要素 | 選考直結型の秋冬インターン | 序盤で結果が固定化される設計 |
| 複数日〜数週間 | 継続シリーズ型 | 長期インターン、内定者研修への発展 | 毎回リセットされる単発型設計 |
このマトリクスはあくまで出発点であり、実際には貴社の業種特性や評価したい能力に応じて微調整が必要です。しかし「まず尺を起点にメカニクスを選ぶ」という発想を持つだけで、企画会議での議論が格段にスムーズになります。
\1day・長期インターンのボードゲーム企画のご相談は下記から/
1day向け:短時間で会社理解を最大化する設計
1dayインターンでは、以下の3点を意識した設計が有効です。
①冒頭5分で「面白そう」を作る
1日という短い時間の中で、序盤の印象が体験全体の評価を大きく左右します。ルール説明に時間をかけすぎず、プレイしながら理解できるチュートリアル設計にすることが重要です。
②意思決定の頻度を高くする
待ち時間の長いゲームは、1dayという短尺では致命的です。全員が頻繁に意思決定に関与できる設計にすることで、体感時間を短く感じさせることができます。
③振り返りの時間を必ず確保する
ゲーム自体を1時間で終えたとしても、振り返り・フィードバックの時間を最低15〜20分は確保しましょう。ASOBOARDが支援した企画の傾向として、振り返りの質が高い回ほど、参加後アンケートでの「志望度が上がった」という回答が多く得られる傾向にあります。
長期向け:継続シリーズ型で業務理解を深化させる設計
長期インターンでは、前述の「継続シリーズ型」メカニクスを軸に、以下の観点で設計します。
①週ごとにテーマ・難易度を変える
1週目は基礎的な業務理解、2週目は部門間調整、3週目は経営視点の意思決定というように、段階的に難易度とテーマを引き上げていく構成にすると、参加学生が「成長している実感」を得やすくなります。
②前回の選択が次回に影響する設計にする
単発のミニゲームを毎週繰り返すのではなく、前週の意思決定の結果が翌週の状況に反映される仕組みにすることで、学生は「自分ごと」として業務に向き合うようになります。
これは実際の業務における「昨日の判断が今日の仕事に影響する」という感覚の疑似体験にもなります。
③定期的な内省ポイントを組み込む
長期インターンでは、単に体験を重ねるだけでなく、経験学習サイクル(コルブの経験学習モデル)に基づき、「経験→振り返り→概念化→次の行動」というサイクルを意図的に組み込むことで、学びの定着率を高めることができます。
④「継続シリーズ型」特有の離脱リスクにも備える
継続シリーズ型は関与を深められる一方、途中で1回でも欠席・離脱すると物語のつながりが分からなくなり、モチベーションが下がりやすいという弱点もあります。
ASOBOARDでは、各回の冒頭に「前回までのあらすじ」を簡潔に振り返るパートを必ず設計に組み込み、多少のブランクがあっても置いていかれない構成にすることを推奨しています。この一手間の有無が、長期インターン全体の継続率を左右する重要なポイントです。
規模・費用感の違い
1dayと長期では、制作にかけるべきコストの考え方も変わってきます。
| 項目 | 1day向け | 長期向け |
|---|---|---|
| 想定プレイ時間 | 1〜4時間 | 複数回×数週間〜数ヶ月 |
| ゲーム構造 | 即断即決型・積み上げ型 | 継続シリーズ型 |
| 制作の複雑度 | 比較的シンプル | シナリオ分岐・進行管理の設計が必要でやや複雑 |
| 費用感の目安 | 単発イベント向けの制作費として検討しやすい価格帯 | シリーズ構成・複数回分のコンテンツ設計が必要なため、1dayよりまとまった予算感になりやすい |
| 資産としての再利用性 | 毎年のサマー・秋冬インターンで反復利用しやすい | 参加者ごとに進行状況が異なるため、運用面の設計が重要 |
長期向けは初期の制作コストがやや高くなる傾向がありますが、一度設計すれば毎年のインターン生に対して継続的に活用できるため、中長期で見ると採用コストの最適化につながるケースが多くあります。
ここでASOBOARDが企画をご相談いただく際にお伝えしている考え方が「1体験あたりコスト」という視点です。
1dayインターンは1回あたりの参加人数が多い一方、体験の深さは限定的になります。長期インターンは参加人数こそ絞られますが、1人あたりの関与時間が長く、内定承諾率や早期離職防止への影響という観点で見ると、投資対効果が高くなりやすい傾向があります。
どちらか一方を選ぶのではなく、「サマーの1dayで母集団を広げ、長期インターンで本命層を深く育てる」という2段構えの設計にすることで、限られた予算を効果的に配分している企業様も増えています。
ASOBOARDの強み
ASOBOARDのCGO(Chief Games Officer)は、商業ボードゲームの企画・販売実績を持ち、プレイ時間とゲームメカニクスの相性という、一般的な採用イベント制作会社にはない専門知見を持っています。
単に「時間内に収まるようコンテンツ量を調整する」のではなく、時間の長さに応じてゲームの構造原理から設計し直すというアプローチは、この商業ゲーム開発の経験があってこそ実現できるものです。
また、採用コンサルティングの経験も活かしいた、1day・長期それぞれのインターンで企業が本当に見極めたい・伝えたいポイントを丁寧にヒアリングした上で、ゲームの評価軸に落とし込みます。
「1dayなので簡易的に」「長期だから内容を詰め込む」という発想ではなく、貴社の採用フェーズにおける1dayインターンと長期インターンの役割分担そのものからご相談いただくことも可能です。
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まとめ
1dayインターンと長期インターンでは、学生に提供すべき体験の質がまったく異なります。1dayでは「短時間で会社理解と好意度を最大化する即断即決型・積み上げ型」の設計、長期では「継続的な関与を促す継続シリーズ型」の設計が適しています。
単純に情報量を増減させるのではなく、時間の長さに応じてゲームの構造原理そのものを変えるという視点を持つことで、限られた予算と時間の中でも、参加学生の記憶に残るインターン体験を設計することができます。
▶︎インターンシップのボードゲーム企画|シーズンで変えるべき理由と設計法
▶︎インターンシップ企画代行会社選びで失敗しないためのガイド
よくある質問(Q&A)
1day用に作ったゲームを長期インターンに転用することはできますか?
ベースとなる世界観やテーマは転用可能ですが、ゲーム構造(即断即決型と継続シリーズ型)が異なるため、そのままの流用はおすすめしません。テーマを引き継ぎつつ、長期向けに構造を再設計するアプローチが現実的です。
長期インターンのゲームは、途中参加の学生にも対応できますか?
継続シリーズ型の設計であっても、各回である程度独立して楽しめるようにサブテーマを用意することで、途中参加者への対応は可能です。設計段階でご相談いただければ、貴社の運用方法に合わせた構成をご提案します。
長期インターンのゲーム制作は、1dayに比べてどのくらい準備期間が必要ですか?
シリーズ構成やシナリオ分岐の設計が必要になるため、1dayに比べて1〜2ヶ月程度長めの準備期間を見ていただくことをおすすめします。早めのご相談で、無理のないスケジュールを一緒に組み立てられます。
サマーの1dayと長期インターンを両方実施する場合、ゲームの世界観は統一すべきですか?
統一すると学生にとって企業のブランドイメージが一貫し、長期インターンへの案内もスムーズになるというメリットがあります。ただし無理に世界観を合わせようとして設計に無理が出るようであれば、テーマは分けて「同じ会社らしさ」を評価軸やビジュアルトーンで表現する方法もあります。
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