SDGs研修にオリジナルボードゲームを活用する方法【自社事業と結びつける設計・費用・注意点】

「SDGs研修を毎年実施しているが、社員の理解が一向に深まらない」

「17の目標を説明しても、自分の業務との関係がわからないと言われる」

「ESG目標を立てたのに、現場の社員が他人事のままだ」

担当者のこうした悩みは、SDGs推進が「経営課題」として位置づけられた今も解消されていません。

SDGs・サステナビリティ推進を支援する企業への調査でも、「社内の理解度が低い」は企業がSDGsに取り組む際の最大の課題として挙げられています。座学・映像・eラーニングによる浸透には明確な限界があり、「知識を伝える」から「体感で気づかせる」アプローチへの転換が求められています。

この記事では、SDGs研修にオリジナルボードゲームを活用する方法を、市販ボードゲームの限界・設計の3パターン・注意点・費用まで詳しく解説します。

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なぜSDGs研修は「自分ごと化」されないのか

「17の目標を学んだ」が行動変容につながらない理由

SDGs研修のeラーニングや動画は、「SDGsとは何か」という知識習得には向いています。しかし「この知識が自分の仕事とどうつながるのか」が見えないまま終わるため、受講後の行動変容が起きにくいのです。

SDGs・サステナビリティの研修を提供するシェダル社が指摘するように、「知識の習得だけでなく、実際に体験し、共感を得ることが重要」です。

座学形式では「SDGsを概念として知っている」状態にはなりますが、「自社の仕事を通じてSDGsに貢献している当事者」として行動できる状態にはなりにくいのです。

マテリアリティと現場社員の「断絶」問題

多くの企業がSDGs・ESGへの取り組みとして「マテリアリティ(重要課題)」を特定し、中期経営計画に組み込んでいます。しかし経営層が策定したマテリアリティが、現場社員の日常業務とつながっていないケースが非常に多くあります。

「環境負荷の低減が重要課題」と定められていても、製造現場の担当者が「自分のラインのここを改善するとCO2が減る」と実感できていなければ、マテリアリティは「経営の言葉」のままです。

市販SDGsボード・カードゲームの限界

SDGsを学ぶ市販のカードゲーム(「2030 SDGs」など)は、SDGsの概念・世界観・相互依存関係を学ぶには優れたツールです。国内外で15万人以上がプレイした実績もあります。しかしBtoB研修での活用には以下の課題があります。

課題内容
自社事業との接続がないゲーム後に「うちの仕事とどう関係するの?」が残る
自社のマテリアリティを反映できない汎用設計なので自社固有のESG課題が組み込めない
繰り返し使えない一度やると「既プレイ」になり翌年使えない
業界特有の課題が体感できない製造・金融・小売など業界ごとの具体性がない

オリジナルSDGsボードゲームで実現できること

オリジナルボードゲームであれば、自社のマテリアリティ・サプライチェーンの課題・業界特有の社会的影響を直接ボードゲームに落とし込めます。「なぜ自社がこのSDGs目標に取り組むのか」「自分の仕事のどこが社会課題と関係しているのか」が体感できる研修になります。

SDGsボードゲーム設計の3パターン

パターン①:社会課題×自社事業体感型

自社のビジネスが社会のどの課題と関わっているかを、ボードゲームを通じて可視化するタイプです。

製造業の設計例:製品のライフサイクル全体(原料調達→製造→流通→使用→廃棄)をボードゲームで疑似体験し、「どの段階でCO2排出が多いか」「サプライヤーの人権課題はどこに潜むか」を参加者が自分で発見する設計。「SDGsは環境部門の話」という意識が、「自分の仕事そのものだ」に変わります。

小売業の設計例:フードロス・プラスチック削減・サプライチェーンの透明性をテーマに、「売上最大化」と「社会課題解決」のトレードオフを体験するボードゲーム。「安さを追求するとサプライヤーの労働環境はどうなるか」を体感することで、バイヤーとしての調達判断基準が変わります。

期待効果:「SDGsは自分の仕事と関係ない」という意識の解消。マテリアリティを「自分ごと」として理解。

パターン②:バリューチェーン×ESG判断型

自社のバリューチェーンをボードゲームで疑似体験しながら、「コスト最安の選択」vs「ESG配慮の選択」のトレードオフを繰り返し判断するタイプです。

設計の具体例:プレイヤーが「調達担当者」「製造管理者」「営業担当者」などの役割を担い、各判断場面でコスト・環境・人権のバランスをどう取るかを選択。「ESG配慮の選択は短期コストが上がるが、長期では企業価値向上につながる」という体験が、ESG経営の論理を腹落ちさせます。

対象:管理職・調達・CSR・サステナビリティ担当者

パターン③:地域×社会貢献共創型

地域社会との共存・地域課題解決への貢献を体感させるボードゲームです。

設計の具体例:自社の事業拠点がある地域の課題(高齢化・人口減少・産業衰退・環境問題)をボードゲームの舞台に設定し、「企業としてどう地域と共存・貢献できるか」を参加者が考えるゲーム。地元採用・地域貢献活動・環境配慮の事業展開のバランスを体感します。

対象:地域密着型の企業・CSR活動が盛んな企業

市販ボードゲームとオリジナルボードゲームの使い分け

目的推奨アプローチ
SDGsの概念・必要性を全社員に伝える市販ボードゲーム(2030 SDGsなど)でまず体験
自社のマテリアリティを現場に浸透させるオリジナルボードゲームが必要
業界特有のESG課題を体感させるオリジナルボードゲームが必要
ESG経営の判断軸を管理職に持たせるオリジナルボードゲームが必要
毎年の研修コンテンツとして継続活用オリジナルボードゲーム(年次更新設計で対応)

SDGsボードゲーム制作時の3つの注意点

注意点①:SDGs17目標を全部カバーしようとしない

最もよくある失敗パターンは、「17のゴールをすべてボードゲームに詰め込もうとして、自社の話になっていない」ボードゲームです。

「うちの事業が最も関わるSDGs目標は何か」を3〜5個に絞り込み、そこに集中した設計にすることが効果的です。

注意点②:数値・KPIとの接続を設計する

単に体感で終わらせず、「このボードゲームで学んだことが、自社のSDGs KPIにどうつながるか」を振り返りで言語化させることが重要です。「CO2削減目標の○%は、自分の部門が担う」という実感が、日常業務での行動変容につながります。

注意点③:年次更新できる構造にしておく

SDGs・ESGは毎年新しい課題・法規制・ステークホルダーからの要請が加わります。ボードゲームのカード内容を毎年更新できるモジュール型設計にしておくことで、「作って終わり」にならず長期的に活用できます。

ASOBOARD COLUMN|SDGsボードゲームで「自分ごと化」を起こす設計の鍵

SDGsボードゲームの失敗パターンとして最もよく見られるのが、「SDGs17目標を全部カバーしようとして、自社の話になっていない」ボードゲームです。

ASOBOARDが設計する際に必ず意識するのは、「このボードゲームをプレイした社員が、翌日の業務でどんな問いを立てるか」です。

「今やっているこの仕事、環境への負荷はどれくらいだろう」「このサプライヤーを選ぶ基準に、人権配慮を加えられないか」など、こうした問いが自然と浮かぶようになることが、SDGs研修の真のゴールです。

そのために、ボードゲームに盛り込む場面を「自社の業界・職種で実際に起きうるジレンマ」に絞り込む設計が最も効果的です。ASOBOARDでは、制作前のヒアリングで「自社のバリューチェーンのどこにSDGsへの影響があるか」を一緒にマッピングするところからスタートします。

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SDGsボードゲーム費用・スケジュールの目安

内容費用目安期間目安
自社ESG体感カードゲーム(100〜200部)80万〜150万円3〜4ヶ月
バリューチェーン型ボードゲーム(自社業務組み込み)150万〜280万円4〜5ヶ月

期初の全社研修・サステナビリティ月間・ESGレポート公表タイミングなど、SDGs研修を実施する時期から5〜6ヶ月前には動き始めることが理想です。

SDGsボードゲーム制作に関するよくある質問(Q&A)

Q:市販の「2030 SDGs」と組み合わせて使えますか?

A:非常に相性が良い組み合わせです。「2030 SDGs」でSDGsの概念・世界観を体感したあと、ASOBOARDのオリジナルゲームで「自社の仕事との接続」を体感するという2段階の研修設計が効果的です。

Q:ESGレポートや統合報告書との連携はできますか?

A:自社のマテリアリティやKPIをボードゲームに組み込む設計が可能です。「ボードゲームで体感したことが自社のサステナビリティ戦略とどうつながるか」を可視化する設計にすることで、研修と経営戦略の接続が実現します。

Q:管理職向けと一般社員向けで内容を変える必要がありますか?

A:目的によって変えることを推奨します。一般社員向けは「自分の仕事との接続の気づき」、管理職向けは「ESG経営の判断軸の形成」にフォーカスした設計が効果的です。同じボードゲームでもファシリテーションの問いを変えることで対応できる場合もあります。

まとめ

SDGs研修の「自分ごと化されない」問題を解決するには、知識伝達型から体感型への転換が必要です。オリジナルボードゲームは、自社のマテリアリティ・バリューチェーン・業界特有の課題を直接ボードゲームに落とし込み、参加者が「明日から自分の仕事でSDGsを考えられる」状態を作り出します。

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