ボードゲーム制作会社が自社のサービスを勧めない記事を書くのは、あまり一般的ではありません。ですが、ボードゲーム研修には明確に向いていない状況があります。
私たちがこれを公開するのは、誠実さのアピールのためではないのはご承知おきください。ボードゲーム研修があまりにも向いていない状態で導入すると、ほぼ確実に失敗します。
そして失敗すると、「ボードゲーム研修は効果がない」という結論が社内に残り、本当に効果が出る場面でも二度と選択肢に上がらなくなり、機会損失になってしまいます。
この記事では、ASOBOARDが実際にお断りした、あるいは他の手法をご提案したケースを5つに整理しました。当てはまる項目がある場合は、いったん立ち止まることをおすすめします。

合同会社ASOBOARDでは、貴社の目的・課題に合わせた最適なオリジナルボードゲーム開発や研修プログラムの設計を専門としています。まずはお気軽にご相談ください。
<ASOBOARDの強み>
- ビジネス課題をゲームに落とし込める課題解決のプロ集団
- 事業開発、採用コンサル、マーケターなど、複合的な専門性を持つメンバーで提案
- 企画から製造までの一気通貫に加え、ルール検証やデザインのみなど柔軟なご支援が可能
失敗パターン①課題の原因が「制度」や「仕組み」にある
研修で解決できることには限界がある
最も多いパターンです。
たとえば「部門間の連携が悪い」というご相談。原因がお互いの業務を知らないことにあるなら、体験型研修は有効です。ボードゲームの中で相手の立場を経験することで、認識が変わります。
一方、原因が次のようなものである場合、研修では解決しません。
- 部門ごとの評価指標が対立している(協力するほど自部署の数字が下がる)
- 情報共有のためのツールや会議体が存在しない
- 上長が他部署との連携を評価していない
この状態で研修を実施すると、参加者は当日「連携は大事ですね」と納得します。しかし翌日には元の評価制度の中に戻るため、行動は変わりません。研修が悪いのではなく、行動を阻害している構造が残っているからと私たちASOBOARDはとらえております。
失敗しないための状態の見分け方
社内で次の質問をしてみてください。
「この行動を取った社員は、社内で得をしますか、損をしますか」
損をする構造になっている場合、先に手をつけるべきは制度です。ASOBOARDでは、この状態でのご相談には制度面のご提案を先にお伝えし、研修の実施時期を後ろ倒しにするようご案内しています。
また、オリジナルのボードゲーム研修の制作期間は半年からかかることが多いため、制作納品までの間で研修実施後と現状の制度や仕組みの面で改善いただくケースもございます。
失敗パターン②実施までの期間が足りない

オーダーメイド制作には物理的な時間がかかる
オリジナルのボードゲームは、ヒアリング・設計・テストプレイ・改訂・印刷という工程を経ます。このうち圧縮できないのがテストプレイ・改訂・印刷です。
初回のテストプレイ(試遊体験)でバランスが完璧に取れることはまずありません。
クライアント様を交えて実施するテストプレイも複数回ある場合もあり、テストプレイでの試行と改訂を経て、ようやく研修で使える水準になります。
| 工程 | 所要期間の目安 |
|---|---|
| ヒアリング・要件定義 | 1ヶ月 |
| ゲーム設計・プロトタイプ制作 | 1ヶ月 |
| テストプレイ・改訂 | 1ヶ月 |
| デザイン・印刷・製造 | 2ヶ月〜3ヶ月 |
| 合計 | 5〜6ヶ月 |
制作期間が足りない場合の選択肢
実施まで5ヶ月間を切っている場合、ヒアリング及びゲーム設計の工程で1ヶ月ほどは短縮できる場合があるのでご相談いただきたいのですが、難しい場合は無理にオーダーメイドを進めるより、次のいずれかをおすすめします。
- 既製のビジネスゲームを使い、振り返り部分だけをカスタマイズする
- 今回は別形式の研修を実施し、次年度に向けてオーダーメイド制作を進める
- 印刷仕様を簡易にして期間を圧縮する(ただし品質面のトレードオフあり)
短い期間で無理に作ったボードゲームは、テストプレイが不足するため面白くない(参加者が盛り上がらない)あるいは、簡単すぎる、学びの部分がの要素が弱くなるなど、当日に破綻する可能性が高いです。
失敗パターン③:目的が「盛り上がること」だけになっている
レクリエーションなら、市販ゲームで十分です
「社員旅行の夜に何か盛り上がるものを」「懇親会で使えるものを」というご相談をいただくことがあります。
このニーズ自体はまったく問題ありません。ただ、その目的であればオーダーメイド制作は費用対効果が合いません。市販のパーティーゲームを購入した方が、確実に盛り上がりますし、費用は数百分の一で済みます。
オーダーメイド制作が意味を持つのは、「自社の業務やバリューを題材にすることで、遊んだあとに実務での判断が変わる」ことを狙う場合です。
オーダーメイドボードゲームを制作する判断基準
次の質問に答えられない場合、オーダーメイド制作は時期尚早と捉えた方がいいでしょう。
「研修の3ヶ月後、参加者のどんな行動が増えていれば成功だと言えますか」
ここに答えがない状態で作られたボードゲームは、楽しい時間で終わります。そして「ボードゲーム研修は結局レクリエーションだった」という評価が社内に残ります。
なお、レクリエーション目的での市販ボードゲームの選び方については、こちらの記事にまとめています。
失敗パターン④研修当日に振り返りの時間を取れない

ボードゲーム単体では学習は成立しない
体験型学習の効果は、コルブの経験学習モデル(1984)が示すとおり、「体験」→「内省」→「概念化」→「実践」という循環によって生まれます。そのため、ボードゲームは最初の「体験」を提供するきっかけにしかすぎません。
内省と概念化の工程、つまり振り返りがなければ、学習は成立しません。参加者の記憶に残るのは「楽しかった」という感情だけが残ってしまいます。
ボードゲームの実施に必要な時間配分
| 工程 | 所要時間の目安 |
|---|---|
| ルール説明 | 10〜15分 |
| ゲームプレイ | 40〜60分 |
| 振り返り・実務への接続 | 30〜45分 |
振り返りに30分以上を割けない研修枠の場合、ボードゲーム部分を短縮するか、実施自体を見送ることをおすすめします。
実際、ボードゲーム研修を受けた方からは「振り返りの時間がもう少し長ければ、学びをより深く理解できた」「ゲームと実務のつながりを、もっと具体的な事例で解説してほしかった」という声が挙がっています。これは体験型研修が失敗する典型パターンです。
失敗パターン⑤参加者の心理的な負荷を考慮できない
「体験型が苦手な人」は必ず一定数いる
体験型研修に抵抗を感じる方は、決して少数ではありません。理由として多いのは次のようなものです。
- 人前で発言することへの苦手意識
- 勝ち負けがつくことへの抵抗感
- 体力的な負荷への不安
ボードゲームは、テーブルの上で完結し、役割が明確で、勝敗をチーム単位に帰属させられるため、こうした負荷を軽減しやすい形式です。ただしそれは設計次第であって、自動的にそうなるわけではありません。
配慮ができない場合は見送るべき
次のような制約がある場合は、リスクが高くなります。
- 全員の前で成績を発表するよう会社側から求められている
- 個人ランキングを人事評価に反映する予定がある
- 参加が強制で、辞退の選択肢が用意されていない
これらは、心理的安全性を高めるという目的と真正面から矛盾します。設計でカバーできる範囲を超えている場合は、実施を見送るか、条件そのものを見直す必要があります。
逆に、ボードゲーム研修が強く効くパターン
ここまで向いていないパターンを挙げてきましたが、次のような状況では他の手法より優位に立ちます。
| 状況 | 理由 |
|---|---|
| 座学研修の内容が現場で使われていない | 判断を伴う経験は、聞いた知識より定着しやすい |
| 部門間で相手の業務が見えていない | 情報非対称の構造をゲーム内で再現できる |
| 企業理念やバリューが言葉のまま浸透していない | 抽象的な価値観を、具体的な判断場面に変換できる |
| アウトドア型・演劇型の研修に抵抗のある社員が多い | 身体的負荷がなく、全員が同じ条件で参加できる |
| 内定者・新入社員の関係構築が必要 | 初対面でも役割が与えられるため会話が生まれやすい |
ASOBOARDがお断りする理由
私たちがすべてのご相談をお受けしないのは、経営判断としては非効率に見えるかもしれませんが、理由は2つあります。
1つは、失敗した研修は、その企業にとってボードゲーム研修という選択肢を永久に潰すからです。制度の問題を研修で解こうとして失敗した企業は、本当に研修が効く場面が来ても検討してくれません。業界全体にとっての損失になってしまうと考えるためです。
もう1つは、納品後に何度も使われることを、私たちが目指しているからです。1回使って倉庫に眠るボードゲームは、私たちにとって失敗だと捉えます。継続して使われる状態を作るには、そもそもの前提条件が整っている必要があります。
なお、ASOBOARDにはボードゲームデザインの専門家と人事・組織開発の専門家も在籍しています。「これは研修の問題ではなく制度の問題です」と判断できるのは、組織開発側の専門性があるためです。ボードゲーム制作のみを行う会社では、この判断は構造的に難しくなります。
まとめ
ボードゲーム研修が向いていない5つのケースは、
- 課題の原因が制度・仕組みにある
- 実施までの期間が足りない
- 目的が「盛り上がること」だけになっている
- 当日に振り返りの時間を30分以上取れない
- 参加者の心理的な負荷に配慮できない条件がある
いずれかに当てはまる場合は、条件を整えてから実施するか、別の手法を選ぶことをおすすめします。
ASOBOARDが選ばれる理由
私たちASOBOARDは、企業研修・採用・組織開発を目的としたオリジナルボードゲームを、企画から製造まで一気通貫で手がける制作会社です。
HR・採用コンサルティングの豊富な実務経験やゲーム設計・商業流通の実績を持ち、それらの複合専門性によって、貴社の業種・現場特有の課題を、実践的な判断力が身につくゲーム構造へと落とし込みます。
独自メソッドにより、被害経験のある従業員にも配慮しながら、緊張感と安心感のバランスが取れた研修設計を行います。企画から、企画のみ・製造のみといった部分的なご依頼にも対応可能です。
オリジナルボードゲーム制作の無料相談実施中!

弊社ASOBOARDは、貴社の組織課題や目的に完全にフィットするオリジナルボードゲームを提供しております。
「まずは一度試してみたい」「具体的な費用感を知りたい」といったご相談や体験会のご要望も歓迎しております。企画から全て任せたい企業様はもちろん、デザインなしでゲームルールの検証・バランス調整のみに重きを置きたい、あるいは企画・デザインは完了し印刷・製造のみを依頼したいといった、あらゆる制作段階に対応可能です。
- 企画から製造まで全て任せたい方は【一気通貫サービス】
- ルールのバランス調整のみ頼みたい方は【検証特化サービス】
- デザインと製造のみを依頼したい方は【製造特化サービス】
貴社のフェーズやリソースに合わせて、最適な形でプロジェクトを支援いたします。まずは「どんな課題を解決したいか」、その想いをお聞かせください。
よくある質問
Q. 制度の問題だと言われた場合、どうすればよいですか?
A. 評価指標や情報共有の仕組みを先に見直したうえで、その新しい制度を浸透させる手段として研修を使うのが順序です。ASOBOARDではCSOが人事制度構築の経験を持っているため、制度面のご相談も含めて対応可能です。
Q. 短期間でも対応してもらえる方法はありませんか?
A. 既製のゲームをベースに、カードの内容と振り返り部分だけを自社仕様にカスタマイズする方法があります。フルオーダーより制作期間を短縮できます。ただし、業務プロセスそのものを再現することはできないため、目的によっては適しません。
Q. 振り返りのファシリテーションは依頼できますか?
A. 可能です。ゲーム制作のみ、当日の運営込み、いずれの形でも対応しています。社内のご担当者が実施される場合に備えて、ファシリテーション用のガイドもお渡ししています。
Q. 一度失敗した経験があるのですが、再検討する価値はありますか?
A. 失敗の原因によります。ゲームと実務のつながりの説明が不足していた、振り返りが短かった、というケースであれば設計で解消できます。一方、制度の問題が背景にあった場合は、そこを解消しない限り再度同じ結果になります。まずは前回の失敗要因を整理するところからご相談ください。
オーダーメイドの研修用ボードゲーム制作をご検討中の方へ
ボードゲームが向いているかどうかの判断からご相談いただけます。該当しないと判断した場合は、率直にその旨をお伝えします。
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