インターンシップの内容を検討する際、「工場見学や座学中心の従来型と、ボードゲームのような体験型、どちらが自社に合っているのか」という比較検討は、多くの人事担当者が一度は通る道です。
この記事では、それぞれの強みと限界を整理した上で、両者を組み合わせるハイブリッド設計という選択肢まで含めて詳しく解説します。
どちらか一方が絶対的に優れているという結論ではなく、自社の目的や伝えたい情報の性質に応じた使い分けの視点を、具体的な組み合わせパターンとともにお伝えします。
合同会社ASOBOARDでは、貴社の目的・課題に合わせた最適なオリジナルボードゲーム開発や研修プログラムの設計を専門としています。まずはお気軽にご相談ください。
<ASOBOARDの強み>
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採用・組織戦略スペシャリスト
人材会社出身で、採用代行支援・人事コンサルティング会社を経営中。合同会社ASOBOARDに参画し、CSO(チーフセールスオフィサー)を担う。これまでに数十社以上の採用成功の支援や人事制度の構築を支援した実績を持つ。事業会社でのセールスや新規事業立ち上げの経験があり、ビジネス領域への深い理解を基にした支援が得意。単なる採用数の充足だけでなく、事業成長を見据えた組織戦略立案・採用支援が得意。
工場見学・座学中心インターンの強みと限界
工場見学や座学中心のインターンは、長年多くの企業で採用されてきた定番の形式です。その強みは、まず「情報の正確性と網羅性」にあります。
実際の現場を見せる、専門知識を持つ社員が直接説明するという形式は、企業の事業内容を正確に、体系的に伝えることができます。
特に製造業やインフラ系の企業では、実際の設備や生産ラインを見ることでしか伝わらない迫力やスケール感があり、これはボードゲームでは代替が難しい要素です。
一方で、この形式にはいくつかの構造的な限界もあります。実際にASOBOARDへのご相談の中でも、こうした限界を感じて体験型の要素を模索し始める企業様が多く見られます。以下で詳しく見ていきましょう。
①受動的な体験になりやすい
見学や座学は、基本的に学生が「見る」「聞く」という受動的な立場に置かれます。エビングハウスの忘却曲線に代表されるように、人は受動的に得た情報ほど記憶の定着率が低い傾向があるとされており、せっかく丁寧に説明した内容も、時間が経つにつれて印象が薄れていくリスクがあります。
②他社との差別化が難しい
同業他社も同じように工場見学や事業説明を実施しているケースが多く、「どの会社の見学だったか記憶が混同する」という声も少なくありません。内容が正確であるがゆえに、かえって没個性的な体験になってしまうという逆説的な課題があります。
③学生の集中力・関与度にばらつきが出る
座学形式では、積極的に質問する学生とそうでない学生の差が大きく、全員が同じ熱量で参加しているとは限りません。特に大人数での実施では、後方に座った学生の集中力が途切れやすいという、物理的な構造上の課題もあります。
こうした限界がありながらも、座学・見学形式が長年支持され続けているのは、情報の正確性という譲れない価値があるからです。
特に安全管理や品質管理など、正確な理解が事故防止に直結するような領域では、抽象化を伴うゲーム形式よりも、座学・見学形式の方が適している場面も少なくありません。この点は、ゲーム型インターンを検討する際にも忘れてはならない前提です。
ボードゲーム型インターンの強みと限界
一方、ボードゲーム型インターンの最大の強みは「能動的な関与を引き出せること」です。
プレイヤーは自ら意思決定を行い、その結果を体感するというプロセスを経るため、エドガー・デールの「経験の円錐」が示すように、能動的な体験を伴う学習は、受動的な学習に比べて記憶に残りやすいとされています。
また、ゲームという体験そのものがユニークであるため、他社との差別化にもつながりやすいという利点があります。
加えて、ゲームという形式は、学生に「評価されている」というプレッシャーを与えずに、自然な振る舞いを引き出しやすいという側面もあります。
座学形式では建前的な質問や発言に終始しがちな学生も、ゲームというフラットな場では、より率直な意見や反応を見せることが多く、これは企業側にとっても学生の素の姿を知る貴重な機会になります。
一方で、ボードゲーム型にも限界があります。
①情報の網羅性では座学に劣る
ゲームは体験の抽象化・単純化を伴うため、事業の詳細な情報や専門的な知識を網羅的に伝えることには向いていません。「楽しかったけど、結局何をしている会社か具体的にはよく分からなかった」という失敗は、この網羅性の欠如が原因であるケースが多く見られます。
②設計の質によって効果が大きく左右される
座学は多少内容が単調でも一定の情報伝達効果が保証されますが、ゲームは設計の質が低いと、単に「楽しかっただけ」で終わってしまい、企業理解にも選考にも寄与しない結果になりかねません。
③準備にかかる労力・コストが座学より大きい
既存の資料をベースに進行できる座学に比べ、ゲームはゼロから設計・制作するプロセスが必要になるため、準備の負荷は座学より高くなる傾向があります。
これらの限界を踏まえると、ボードゲーム型インターンを検討する際には、「面白そうだから」という理由だけで安易に飛びつくのではなく、自社が伝えたい情報とゲームという形式の相性を事前に見極めることが重要です。
特に専門性が極めて高く、正確な理解が必須となる情報については、ボードゲームで扱うテーマとして適切かどうかを慎重に検討する必要があります。この見極めを誤ると、せっかくコストをかけて制作したゲームが、狙った効果を発揮できない結果に終わってしまいます。
両者を比較して分かること
この比較から見えてくるのは、「情報の正確な伝達」を目的とするなら座学・見学、「記憶に残る体験と能動的な関与」を目的とするならボードゲームという、それぞれ得意分野が異なるという事実です。どちらか一方を選ぶという発想よりも、目的に応じて使い分ける、あるいは組み合わせるという発想の方が、実務的には現実的です。
両者の特徴を整理すると、以下のようになります。参考として、自社の企画検討の初期段階でご活用ください。
| 観点 | 工場見学・座学中心 | ボードゲーム型 |
|---|---|---|
| 情報の正確性・網羅性 | 高い | 中〜低(抽象化を伴う) |
| 記憶への定着 | 低〜中(受動的体験) | 高い(能動的体験) |
| 他社との差別化のしやすさ | 低い(内容が同質化しやすい) | 高い(オリジナル性を出しやすい) |
| 準備の負荷 | 低い(既存資料を活用しやすい) | 中〜高(ゼロから設計が必要) |
| 学生の関与度のばらつき | 大きい(積極性に依存) | 小さい(全員が意思決定に関与) |
このように、どちらも一長一短があり、「万能な形式」は存在しません。だからこそ、自社が今回のインターンで最も重視したい目的が何かを明確にすることが、形式選定の出発点になります。
ハイブリッド設計という選択肢
ASOBOARDがこれまでご支援してきた企画の中でも、特に反響が大きかったのが、座学・見学とボードゲームを組み合わせたハイブリッド構成です。代表的な組み立て方として、以下のパターンがあります。
パターン①:座学・見学を「前提知識」として先に提供し、ゲームで「体感」させる
午前中に工場見学や事業説明を行い、午後にその内容を踏まえたボードゲームを実施する構成です。
座学で得た知識をゲームの中で実際に使う機会を設けることで、単なる「知っている」状態から「使える」状態への引き上げを狙います。
パターン②:ゲームを「導入」として先に体験させ、その後座学で深掘りする
最初にゲームで疑似体験をしてもらい、「なぜこの判断が正解だったのか」「実際の現場ではどう対応しているのか」を座学で解説する構成です。
先に当事者意識を持たせることで、後の座学への集中度・関心度が高まる効果が期待できます。
どちらのパターンが適しているかは、企業の業種や伝えたい情報の性質によって異なります。専門性の高い技術情報を正確に理解してもらいたい場合はパターン①、まず興味を引きつけて本題への集中力を高めたい場合はパターン②が向いている傾向があります。
さらに発展的な組み合わせとして、座学・見学とゲームを完全に別のコンテンツとして並べるのではなく、ゲーム内の設定そのものを実際の工場や事業内容と紐づけて設計する方法もあります。
例えば、見学した工場のライン構成を模したボードを使い、ゲーム内の意思決定が実際に見学した現場の課題と対応するよう設計することで、座学・見学とゲームが別々の体験としてではなく、一つの連続した学びとして学生の記憶に残りやすくなります。
この「現場とゲームの接続」は、ASOBOARDが特に力を入れている設計アプローチの一つであり、単なる余興としてのゲームではなく、見学内容の理解を深めるための装置としてゲームを機能させることを目指しています。
ASOBOARDの強み
ASOBOARDは「ゲームか座学か」という二者択一の発想ではなく、貴社が伝えたい情報の性質を踏まえた上で、座学・見学とゲームの最適な組み合わせをご提案します。CGOの商業ゲーム開発の知見を活かし、座学で伝えた専門知識をゲームの中で自然に「使わせる」設計を得意としており、単発のイベントとしてではなく、インターン全体の設計思想からご相談いただくことが可能です。
すでに座学・見学中心のインターンを実施している企業様からも、「今の内容にゲームを組み込むとしたら、どこに入れるのが効果的か」というご相談を多くいただいています。既存のプログラムを大きく変えることなく、一部にゲーム要素を加えるだけでも、体験の記憶定着率を高められるケースは少なくありません。
ASOBOARDでは初回のご相談時に、既存のインターンプログラムの流れを詳しくヒアリングし、「どの工程を座学のまま残すべきか」「どの工程をゲーム化することで最も効果が高まるか」を、ゼロベースでの刷新ではなく、既存資産を最大限活かす形でご提案することを重視しています。
すでに一定の完成度がある座学・見学プログラムをお持ちの企業様ほど、全面刷新よりも部分的なゲーム導入の方が、コストと効果のバランスが取れるケースが多い、というのがこれまでのご支援を通じて得られた実感です。
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まとめ
工場見学・座学中心のインターンは情報の正確な伝達に強く、ボードゲーム型インターンは能動的な関与と記憶への定着に強いという、それぞれ異なる強みを持っています。どちらか一方を選ぶのではなく、伝えたい情報の性質に応じて組み合わせるハイブリッド設計が、多くの企業にとって現実的かつ効果的な選択肢になります。
すでに座学・見学中心のプログラムをお持ちの企業様は、全面刷新ではなく、一部にゲーム要素を加えるところから検討を始めてみてはいかがでしょうか。
既存の資産を活かしながら、体験の記憶定着率を高める第一歩として、部分的な導入は多くの企業様にとって現実的で始めやすい選択肢になっています。
よくある質問(Q&A)
Q1.既存の座学中心のインターンに、後からゲーム要素を追加することはできますか?
可能です。既存プログラムの内容を伺った上で、どの部分をゲーム化すると効果的かをご提案します。全面的な刷新ではなく、一部にゲームを組み込む形での導入実績も多くあります。
Q2.座学とゲーム、どちらを先に実施すべきですか?
専門性の高い情報を正確に理解してもらいたい場合は座学を先に、まず学生の興味を引きつけたい場合はゲームを先に実施するのが効果的です。伝えたい情報の性質によってご提案します。
Q3.ハイブリッド設計は、座学のみ・ゲームのみに比べて準備期間が長くなりますか?
組み合わせの複雑さによりますが、既存の座学資料を活かしながらゲーム部分のみを新規設計する場合は、ゼロからすべてを設計するケースに比べて準備期間を抑えられることもあります。
Q4.業種によって、座学とゲームどちらが向いているという傾向はありますか?
- 明確な業種による優劣はありませんが、安全管理など正確性が最優先される内容が多い業種は座学の比重を、営業やコンサルティングなど対人スキルや意思決定力が重視される業種はゲームの比重を、それぞれ高めに設計する傾向が見られます。ただしこれもあくまで一般的な傾向であり、最終的には自社が伝えたい情報の性質や業務内容から個別に判断することをおすすめします。
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採用・組織戦略スペシャリスト
人材会社出身で、採用代行支援・人事コンサルティング会社を経営中。合同会社ASOBOARDに参画し、CSO(チーフセールスオフィサー)を担う。これまでに数十社以上の採用成功の支援や人事制度の構築を支援した実績を持つ。事業会社でのセールスや新規事業立ち上げの経験があり、ビジネス領域への深い理解を基にした支援が得意。単なる採用数の充足だけでなく、事業成長を見据えた組織戦略立案・採用支援が得意。
















